日本庭園で用いられる様式である枯山水。水ではなく、石や砂を使って山水を表現する技法で、室町時代にとりわけ禅宗で発達しました。その後は、大名屋敷や造園好きな方の一般の家まで幅広い場所で使われています。今回は、そんな枯山水の中でも特に人気の法然院庭園の枯山水について、法然院庭園の歴史などと併せて解説していきます。
法然院庭園とは?
法然院庭園は、京都市左京区鹿ヶ谷にある浄土宗系のお寺です。もともとは、名前にもついている浄土宗の開祖であり、南無阿弥陀仏を唱えて極楽浄土に向かおうという専修念仏の教えを広めた法然上人が、弟子の安楽、住蓮らと共に修行をしていた草庵です。その後、安楽、住蓮に朝廷の女官が出家を乞う事件が起きます。そのことが、時の権力者であった後鳥羽上皇の大きな怒りを買ってしまい、安楽、住蓮は死罪、法然上人は流罪、浄土宗に対して厳しい弾圧が加えられることになり、この草庵はすっかり寂れてしまいました。
400年以上が経った江戸初期に再興運動が進められ、現在公開されている、伽藍や庭園の基礎が築かれています。境内自体は年中、拝観が可能になっていますが、伽藍が公開されるのは、毎年春と秋だけです。山門をくぐると、まず白砂が盛られて作られた壇が2つあります。これは、白砂壇と呼ばれていて、砂壇の間を通ることによって、身を清める意味があるとされています。また、この砂壇には、季節ごとの紋様が書かれていて、例えば4月ならば桜、9月ならば月、11月ならば紅葉といった具合に季節の移り変わりも楽しむことが可能です。
法然院庭園にある枯山水の見どころ
法然院庭園の枯山水の特徴は、冬から春にかけて咲き乱れる楓との美しい調和を楽しめる点にあります。こういった時期には前庭の白砂壇、枯山水の紋様にも楓が描かれます。三銘椿の庭という名称で広く愛されていて、法然院庭園の枯山水でも特に人気の見どころです。また、2019年の春に作庭されたガラス作りの枯山水も人気です。これは、ガラス造形作家の方がリサイクルガラスを使用して作ったデザインを基調としており、それに熟練の技術を持った作庭家の方が協力して完成した芸術的な枯山水です。リサイクルガラスを使うことによって、資源も人もずっとつながっていくことをメッセージにしています。
法然院庭園のまとめ
今回は、法然院庭園についてその歴史や中身、そして人気の枯山水を解説してきました。長い歴史を誇っている同庭園は、悠久の時の流れと時代に合わせた芸術性を広く楽しむことが可能です。京都観光や枯山水めぐりの際には行ってみると良いでしょう。
法然院庭園の住所・アクセス
庭園名 | 法然院庭園 |
---|---|
住所 | |
アクセス | |
電話番号 | |
開園年月日 | |
開園面積 | |
開園時間 | |
入園料 |