枯山水の日本庭園

泉涌寺雲龍院庭園の枯山水

2020年6月21日

泉涌寺雲龍院庭園の枯山水

数多くの寺院がある京都でも、「悟りの窓」と「迷いの窓」があるのは泉涌寺の雲龍院と源光庵だけです。雲龍院は2つの窓のほかにも、「蓮華の間」が有名ですが、枯山水にも歴史や砂に描かれた紋に由来があります。その歴史や由来を知ることで雲龍院をより楽しめるでしょう。雲龍院庭園の枯山水についてまとめたのでご紹介します。

泉涌寺雲龍院庭園とは?

泉涌寺雲龍院庭園は、泉涌寺(せんにゅうじ)の9つある末寺の1つの雲龍院(うんりゅういん)にあります。雲龍院は後光厳天皇(ごこうごんてんのう)の勅願により建立されたので「別格本山」と呼ばれ、泉涌寺の末寺の中でも格が高いとされています。庭園の見どころは、「悟りの窓」と「迷いの窓」、「蓮華の間」の4つの窓からの眺めです。「悟りの窓」と「迷いの窓」があるのは雲龍院と、京都北部の源光庵(げんこうあん)だけです。この2つの窓は「悟りの間」にあり、入り口近くにある四角い「迷いの窓」から眺める庭園の景色は人生の苦しみを表現しています。

悟りの間の中央付近にある丸い「悟りの窓」から眺める庭園の景色は、禅においての悟りの境地を表現しており、春にはしゃくなげやハナカイドウ、紅梅を眺めて楽しめるのです。「蓮華の間」の4つの窓は、それぞれの窓の正面に座って眺めることで違う庭園の姿が現れます。左から椿、灯籠、楓、松を中心とした庭園の姿が窓で切り取られ、趣きが違う絵画のように楽しめるのです。

泉涌寺雲龍院庭園にある枯山水の見どころ

雲龍院には枯山水が2つあります。1つめは、玄関受付を左側に進んだところにある建物の間に設けられた枯山水です。ここには京都産の加茂川真黒石で作られた観音石像があります。そして2つめが、皇族の位牌が安置されている「霊明殿」の手前にあります。この枯山水の見どころは、灯籠とその下の砂に描かれた紋です。灯籠を中心にして砂に菊の紋が描かれているのです。菊の紋は皇室の紋ですが、描かれている理由は泉涌寺が皇族の菩提寺だからというだけではありません。

この灯籠はもともとは考明天皇(こうめいてんのう)陵に建立されていました。幕末の混乱で倒されていたのを避難させるために、当時の住職が泉涌寺に運んだのです。皇族の菩提寺として、また置かれている灯籠がもともと天皇陵にあったこと、この2つが枯山水に菊の紋が描かれている理由なのです。

泉涌寺雲龍院庭園のまとめ

泉涌寺雲龍院と源光庵でしか見られない「悟りの窓」と「迷いの窓」、絵画のように庭園を楽しめる「蓮華の間」の4つの窓、そして菊の紋が描かれた枯山水を紹介しました。菊の紋が描かれている意味や、その中心にある灯籠の由来を知れば庭園をより楽しめます。窓から眺める庭園の四季や、枯山水の侘び寂びの精神を感じられる泉涌寺雲龍院に訪れてみてはいかがでしょうか。

泉涌寺雲龍院庭園の住所・アクセス

庭園名 泉涌寺雲龍院庭園
住所
アクセス
電話番号
開園年月日
開園面積
開園時間
入園料
  • この記事を書いた人

うたたぞう

ボードゲームがきっかけで枯山水に出会い、好きになり、枯山水に巡ることが趣味になりました。 いつか枯山水のお庭があるマイハウスを建てるのが夢です。

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